本記事では、海外でポスドクを考えているあなたへ、アメリカでポスドク生活をしている私が、率直な本音を述べたいと思います。
特にアメリカ方面で、ポスドクを行うことを考えている場合は、ご参考いただけることがあると思います
読み流す程度に、気楽にご覧ください。
少しでもイメージがわいて、海外ポスドクも楽しそうだと思ってもらえると個人的にはうれしく思います。
日本に帰ったポスドク仲間は決まってこう言うのです。
「あれは夢だった気がする」
海外でポスドクを行う目的
ビッグジャーナルに論文を出して、キャリアに弾みをつけたい、これが一番の目的でした。
日本でも、著名な雑誌に論文を出すことができる、恵まれた環境にいる人もいますよね。
私の場合は、大きな論文を出すことが難しいラボでしたので、ビッグジャーナルをゲットすることが海外に行くというモチベーションにつながったのは確かです。
そこで、有名ジャーナルに論文を出しているラボに行きました。
分野も変えて、大きく挑戦することにしました。日本だと分野を変えにくいですよね。
新しいことを、新しい場所で始めることはとても楽しいことです。
日本で目立った業績を出したわけではないので、世間でよく言われる、箔付けという意味での海外ポスドクではありません。
箔だけついてもどうしようもないですから。
ただし、より良い海外ポスドク暮らしをするには、良いラボに行くことは欠かせません。
海外でのポスドク先の選び方は 研究留学先ラボの失敗しない選び方【コネなし、業績なし】 をご参照ください。
海外ポスドクのリアルな暮らし方
カリフォルニアでのポスドク生活を例にします。
朝9時ころにラボにやってきて、夜6時くらいに帰っていくような感じです。もちろんラボにもよりますし、人にもよります。日本より、ラボにいる時間は圧倒的に短いと思います。
ラボ後に飲みに行くこともないので、自分のペースで毎日過ごしています。
夏のバケーション時期に1か月ほど休みを取って自国に帰る人や、旅行に行く人、ラボにいる人など自由です。
日本にいるよりも周りからの視線はないですし、買い物に行っても始めのうちは知っている人もいないので、人目が一切気にならないという感じがすると思います。
人目が気になるような人は、とても過ごしやすく感じるのではないでしょうか。
極端に言えば、誰も他人のことなんか気にしていない、そんな感じでしょうか。
ポスドクを海外で行うことで見えてくること
いろいろなライフスタイルがあることに気づきました。
もちろん出身も違う、母国語も違う、見た目も違い、考え方も違います。
違って当然だということを客観的に気が付くことができます。
同じにするほうが難しいのです。
比べるということの無意味さに気が付くことができます。
これは簡単そうに思うのですが、とても大きな気づきだと感じます。
海外ポスドクのキャリアに対する現実
アメリカを例にとると、アカデミアでのポジションをとるということは、研究室のPIになることを意味するので、日本とは異なる点だと思います。
日本でもラボにボスが一人という場合もありますが、大半は違いますよね。
その分、研究費の獲得もすべて一人でまかなう必要がでてきますので、ボスはグラントをひたすら書いているイメージでしょう。
こういう生活スタイルを嫌がって、企業へ就職する人も多いです。
日本と同様に、アカデミックポジションの数も限られていますし、企業のほうが明らかに給与が高いので、企業就職に対するイメージは非常にポジティブです。
私は、日本にいるときはかなりのアカデミア主義でしたが、長く暮らすにつれて、企業で研究もありだな、と普通に思うようになりました。
むしろ研究じゃなくてもあり、とさえ思うくらい視野が広がった感があります。
もちろん研究が好きなのは変わりません。
こんなことから気づいた、日本でもいますぐ視野を広げる方法を、ポスドクが転職エージェントに登録して得る3つの隠れたメリット【客観的視点を取り入れる】 にまとめましたので、ご興味があればあわせてご覧ください。
海外ポスドクから見た日本
研究の点で考えると、研究費の額が大きく異なります。簡単に例えるなら、アメリカでは日本の半額で試薬が購入でき、倍以上の研究費で運営されています。
機材は日本のほうが整っている場合も多いと思いますが、共通で使うことができる施設が整っていて、専属のスタッフが実験を行ってくれる場合が多いです。
どこのラボでも共焦点顕微鏡をもっている、といった不思議な現象にはなっていません。
ある程度の研究規模で海外ポスドクをして過ごしていると、日本に戻って研究を行うメリット、モチベーションを見つけることが、なかなか難しい気がします。
海外でポスドクを行って気づいたことのまとめ
現状の日本での研究環境と比べると、アメリカでの研究はとても快適に思います。
具体的には、
- 人間関係のストレスが少ない
- 生活で他人からの干渉が少ない
- 研究費が潤沢
- コラボレーションが容易
- 研究以外に人生に対して考える時間ができる
このような点が、海外、私の場合はカリフォルニアでポスドクをして気づいたことです。
もちろんどこに住むかでも大きく違いますし、ラボでも違います。
言語の壁は確実にありますし、実生活で、健康保険や社会システムが異なるので、その点のストレスはあります。それを天秤にかける必要があるとは思います。
研究留学での英語に関しては、いろいろ不安がありますよね?
あらためて、海外で暮らした結果、日本でもかんたんにトレーニングできる方法があることに気が付いたので、その方法についてまとめています。
くわしくは英語を話すのが怖いならオンライン英会話の無料体験を試すべき3つの理由をご覧ください。
海外にきて、ポスドクをやったことに後悔はありません。
さらに、海外ポスドクを行う中で、自分でお金を稼ぐという意識を持つことが重要であることにも気がつきました。お金に関して、よく考えている人が多いです。
どのようにポスドクが自分で稼ぐかに関しては、 【ポスドクの末路に光】自ら月3万円を稼いで、金銭的不安解消する超現実的メソッド をご覧下さい。
自分で稼いで、気持ちに余裕がでると、どんな状況でもやっていけそうだという自信が付きます。
ジムに行って、体を鍛えることを行っています。
トレーニングに関しても本記事で解説していますので、筋トレを始めるきっかけ、モチベーションを筋トレYoutuberから学ぶ【継続する意義】 をぜひご覧いただけるとうれしいです。
このように、海外ポスドクをして、自己投資の大切さに気づきました。
日本にいるときから気づいている方もたくさんいると思いますが、私は気づいていませんでした。
そんな私みたいな方に、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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